最近の話題から (Vol.11)
灯油消費量と窓
暖冬です。今年は長野を含め各地で雪がとっても少ない状態が続いています。 記録的な大雪であった昨年を除いたとしても、本当に異常だと感じます。 おかげで現場は助かっていますし、 寒冷地に住む方々の暖房費や融雪費もずいぶん少なく済んでいることと思います。
しかし、この現象は地球温暖化が確実に進んでいることを示しているような 気がしてなりません。夏の水不足も心配になってきます。
このような現実を目の当たりにして、 私達は個人レベルでCO2を少しでも削減出来るような意識を持って 日々生活することが大事だと思います。
もちろん、住宅を建築する仕事に携わっている我々は、 CO2を減らすためにもっとたくさんの努力が必要だと思います。
さて、今回は住宅を建築しようと考えている皆さんに、 自分が建てようとしている住宅はどれくらい CO2排出量を減らすことが出来るのかを、 暖房に使う灯油消費量から意識してもらうことが出来るものを紹介します。
新住協から配布されているQ-PEXというパソコンのソフトは、 住宅の断熱材の種類や厚さ、窓やガラスの種類、断熱方法、 面積などを入力することで、住宅の断熱性能を計算してくれます。 さらに建築地を入力すると、 気象データから割り出した日照時間や気温を加味した上で、 その住宅が一冬に暖房のために使う灯油消費量が分かるのです。
このソフトを使うと、たとえば窓がシングルガラスのアルミサッシと、 ペアガラスの樹脂サッシとでは灯油の消費量が大きく変わることが 一目瞭然で分かります。 言い換えると、皆さんが住宅を建てるときに高性能な樹脂サッシ等を採用した場合、 年間どれだけの灯油を節約し、地球環境に貢献したかが分かるのです。
もちろん、断熱性能も灯油消費量に大きく関わってきます。 最近、[高断熱・高気密」という言葉がポピュラーになり、 本物の高断熱住宅でないものもこのような言葉を使いセールスされています。 [次世代基準クリア!」とか「○○オリジナル次世代型住宅!」などと、 イメージで高断熱をアピールしているのです。
イメージでセールスしている会社は具体的な数値は一切出せないので、 各社の住宅の断熱性能を比べる時の参考にもなると思います。 Q-PEXは少し勉強をすれば自分で入力することも可能なので、 興味のある方は各社の仕様を入力してセールストークを確かめることも出来ます。
住宅を設計する時にこのソフトを使うといろいろな面白いことが分かります。 たとえば、南面の窓に夏暑いからといって遮熱タイプのLOW-Eガラスを使うと、 冬の日射取得も出来なくなり灯油の消費量が増えるのです。
冬は日射取得をして、夏はしたくないという設計は庇などを使うことで可能です。 なぜなら、夏の太陽高度は高く、冬は低いからです。
東西面は夏も冬も窓から日射が入る時間が長いので、 建築地やすだれを設置できるかなどの状況に応じて遮熱タイプのLOW-Eガラスを 使うかどうかの判断をします。
このように灯油消費量と窓は密接な関係にあることが分かります。 サッシ種類の選定や大きさ、配置もこんな考えがあるとないのとでは 省エネ度合いも大きく変わってしまいます。 このような観点から住宅の設計を見比べるのもいい家を造るためには必要でしょう。

